こんにちは、みいです!
私たちは、3泊5日でスペイン・バルセロナを旅行し、滞在中、アントニ・ガウディの作品群としてユネスコの世界遺産にも登録されているカサミラとカサバトリョに行ってきました。
カサミラ、カサバトリョ共にガウディが手がけた建築物で、元々はアパートメントでした。
お互いの建物は、グラシア通りをまっすぐ歩いて400mほど、歩いて5分ぐらいのところにあります。
カサミラとカサバトリョ、時間がなくてどちらかしか行けないならどっちがおすすめ?
強いて言うならカサバトリョ。でもそれぞれいいところがあるのでできれば両方行ってほしいな
この記事では、カサミラとカサバトリョの基本情報、外観、内観、チケットについてそれぞれ説明しつつ、最後になぜカサバトリョの方がおすすめか説明していきます。
カサミラ
カサ・ミラは、ペラ・ミラとロゼー・セギモンの依頼で、建築家アントニ・ガウディによって1912年に完成しました。
当時、ミラ夫婦はメインフロアに住み、他の住居を貸し出すことを目的としていました。
当時は見た目の悪さから、石切場(ラ・ペドレラ)と呼ばれ揶揄されていたそうです。
戦後しばらくして、カサミラの芸術的価値や特異性が認められるようになり、1984年11月2日、カサミラは、グエル公園・グエル邸とともにその超越した普遍的な価値が評価され、ついにユネスコの世界文化遺に登録されました。
現在もなお賃貸住宅として使われており、3世帯の家族が住んでいます。
基本情報
開館時間 | 2024年11月4日〜2025年3月6日 通常:9:00 – 18:30、ナイト:19:00 – 23:00 ※クリスマス期間(12月26日〜1月3日)は、9:00 – 20:30 2025年1月1日 通常:11:00 – 20:30、ナイト:21:00 – 23:00 2025年3月7日〜2025年11月9日 通常:9:00 – 20:30、ナイト:21:00 – 23:00 |
休館日 | 2024年12月25日 |
最寄駅 | メトロ:L3 か L5のDiagonal駅から徒歩2分 |
所要時間 | 1時間〜1時間30分 |
カサミラの外観
ファサードと屋上に分けて紹介します。
ファサード
屋上
カサミラの屋上では、バルセロナの景色を360度楽しむことができます!
カサミラの屋上には、階段出口・通気塔・煙突があります。
階段出口は、屋根裏部屋と屋上を繋ぐ階段出口の構造のボリュームを抑えるために、ガウディは凹凸や2重曲線など、全て規則的な幾何学を基にした曲線を使用して建物の荷重を軽減したとされています。
6つの階段出口のうち、4つはリサイクルされた単色の石、大理石、陶磁器の破片で覆われており、2つは石灰モルタルや漆喰でコーティングされています。
通気塔は、屋根裏部屋の換気を行ってくれるものです。
煙突は、一部を除いて3-4本で1つにまとまっています。
屋上から中庭を見下ろすことができます。
カサミラの内観
中庭、4階のアパートメント、最上階のクジラの屋根裏に分けて紹介します。
中庭
ガウディは採光と換気を重視しており、カサミラ内に大きな中庭を2つ作りました。
グラシア通り側の中庭は上を見上げると丸で、プロヴェンサ通り側の中庭は楕円になっています。
それぞれ花の中庭、蝶の中庭と呼ばれているそうです。
玄関ホールの壁・天井の色とりどりの装飾は、象徴派の画家アレッシュ・クラペッス(1846年〜1920年)が担当しました。
バルセロナ滞在中、カサミラ訪問時に唯一雨が降って、中庭いたら濡れたのも思い出です。
隣人のアパート
最上階の1階下では、20世紀初めのバルセロナのブルジョアジーたちの生活を知ることができます。
洗面室の浴槽とトイレ。ビデがついているなど、当時ではかなり先進的だったそうです。
他にもキッチンや子供部屋がありました!
クジラの屋根裏
ガウディは住居の最上階の更に上に屋根裏部屋を作りました。
建物の重量を増やさないように、カテナリーと呼ばれる放物線アーチを造り、屋上を支えています。
カテナリーアーチは軽く、建設が容易で完璧な荷重の分散ができ、圧力がかかりすぎる場所がなく壁を不要にします。
270本のカテナリーアーチが使用され、それがまるでクジラの骨のようだと言われています。
屋根裏部屋は元々は共同洗濯場だったようですが、現在は、ガウディの生涯・模型や地図・オブジェやデザイン・写真・ビデオを通して、カサミラを中心に彼の作品を紹介するガウディ展が見られる場所になっています。
カテナリーアーチの作り方を、チェーンを使って端的に解説したもの。
ガウディは建築物の中に自然を取り入れていていることがわかりました。
ガウディが建築物に合わせて作製した椅子。
家具以外にもドアノブが展示されており、握った形の通り作るのが一番自然に即しているとのことでした。確かに。
カサミラのチケット情報
日時指定チケット | ナイトツアー | 早朝ツアー | |
入場時間 | 9:00 ~ 18:30(〜3/6) 最終入場17:30 | 19:00〜22:00(〜3/6) (所要1時間半) | 08:00 (所要1時間半) |
大人 | 28€ | 39€ | 39€ |
12〜17歳の子供 | 12.5€ | 19€ | 19.5€ |
12歳未満の子供 | 無料 | 無料 | 無料 |
65歳以上 | 19€ | − | − |
学生 | 19€ | − | − |
障害者 | 19€ | − | − |
サービス内容 | オーディオガイド(日本語を含む11言語) | ガイドツアー(スペイン・英・カタルーニャ・中) 屋上でのショー ドリンク(Cava) プロジェクション アパート内の見学 | ガイドツアー(日・英・中・韓) |
\ 日本語表記あります /
カサバトリョ
バルセロナのグラシア通り43番地に位置するカサバトリョは、1877年にエミリオ・サラ・コルテス氏によって建設されましたが、大繊維業者ジュゼップ・バトリョ氏が買い取りました。
その後、彼の依頼を受け、1904年から1906年にかけてガウディは改築を行いました。
この改築でガウディは、建物に5階と地下室を加え、玄関広間を広げ、階段や内壁を作り直し、各部屋に曲線的なデザインを持ち込んで、タイルやステンドグラスの装飾を施しました。
1984年に世界遺産となったグエル公園やカサミラに追加される形で、2005年、アントニ・ガウディの作品群の1つとして世界遺産に登録されました。
基本情報
開館時間 | 09:00〜22:00 ※最終入場は21:15 |
休館日 | 特になし |
最寄駅 | メトロ:L3 か L4のPasseig de Gràcia駅から徒歩1分 |
所要時間 | 1時間〜1時間30分 |
カサバトリョの外観
ファサードと屋上に分けて紹介します。
ファサード
カサバトリョのファサード(建物正面)は、海からインスピレーションを受けたとされています。破砕タイルやガラスで装飾されており、光が当たることで独特の輝きときらめきを放っています。
1階、2階、3階のファサードには、骨の形をした細長い石柱が配され、特徴的なモダニズムの花のエレメントで飾られています。
バルコニーの手すりは仮面の形をしています。
屋根の造形については、公式HPによると2つの説があるそうですが、ガウディ自身が説明していないので本当のところはよく分からないようです。
- カタルーニャの守護聖人である聖ジョージの伝説にちなんだドラゴン説
(屋根のデザインはドラゴンに刺さった剣を象徴し、骨の形をした柱はドラゴンの犠牲者を表している) - 水辺の風景説
(陶器の釉薬と破砕タイルがカラフルにコーティングされており、モネの一連の油絵『睡蓮』を想起させる)
屋上
屋上には、破砕タイルを使ったモザイクでデザインされた煙突とドラゴンの背中があります。
階段が長くて結構疲れていましたが、ガウディ建築は屋上が見どころの1つなので、カサバトリョも頑張って上ってきて良かったな〜と思いました。
屋上にはルーフトップバーがあったので、一杯飲みたい・軽食をとりたい方は行ってみてください。
カサバトリョの内観
玄関から始まり、いくつかの部屋と屋根裏部屋を紹介します!
玄関
建物に入ってオーディオガイドを受け取って中に進むと、右手に階段(共用玄関ホール)が、正面にバトリョ家の専用玄関ホールがあります。
右手の階段に沿った青と白の格子柄の壁が青を基調としており、海の世界の始まりを感じました。
バトリョ家専用玄関ホールからオーディオガイドが始まります。
広葉樹の彫刻が施された手すりは、巨大な動物の背骨を表しています。手すりは真っ直ぐではなく、手にしっくりと馴染む形をしていました。触り心地が良かったです。
画質が悪いですが、天井も真っ直ぐではなく、波打って渦のように見えます。
階段を少し上がった先に亀の甲羅を模した天窓があります。暗くなりがちな階段ホールに光を取り込んでくれます。
暖炉の部屋
元々はバトリョ氏の書斎でした。
この部屋には、きのこの形をした暖炉があります。なぜきのこにしたのかはわかりません。形・デザインともにとても印象に残りました。
壁と天井一面に施されたモザイク模様には金箔が使われています。個人的に、魚のウロコか波のきらめきを表現しているのかなと思いました。
サロン
暖炉の部屋の次は、カサバトリョのメインとも言える「サロン」です!
大きな窓のステンドグラスは海水の飛沫をイメージしているとされています。窓そのものが波のようで、窓やステンドグラスを通じて光がキラキラ輝いていました。
至る所に青色のステンドグラスが使われていてとにかく可愛い!!
特徴的な渦巻きの天井。アンモナイトのようです。
ダイニング
写真右のカラフルなパステルカラーのモザイクの柱が印象的なお部屋です。
オーディオガイドでは、「ガウディはただ意味もなくこの柱を付けたのではない」と言っていました。
ライトウェル(光井戸)
ライトウェルとは、光井戸とも呼ばれる建築用語で、トップライトや吹き抜け、中庭を利用し、採光条件の悪い建物内部でも直接採光を期待できる仕組みのことを言います。
ガウディが自然光をとにかく大事にしているのがよくわかります!
また、自然光を均一に取り込むために、下から上に行くほど壁の青色が濃くなっているのが特徴的です。窓も、下から上に行くほど小さくなっています。
屋根裏
元々は使用人のスペースでした。
カサバトリョの屋根裏も、カサミラの屋根裏と同様にカテナリーアーチが使われています!
白を基調とすることで、暗くなりがちな屋根裏部屋が明るい空間となっています。
屋上から地下に降りる時
屋上を見終わったら、日本人建築家の隈研吾氏が手がけた、地中海の光の美しさをイメージしたアルミのチェーンを見ながら階段を降りていきます。
ガウディ・キューブ
地下まで降りるとガウディ・キューブの入り口があります。
ガウディ・キューブは、空間デザイナーのレフィーク・アナドールがプロデュースした3分ほどのショーで壁、天井、床がスクリーンとなり、360度で映像と音楽が体感できます。
ガウディの頭の中を覗くイメージでしょうか。インパクトがあってカッコよかったので時間があればぜひ!
カサバトリョのチケット情報
カサバトリョはチケットの種類がたくさんあるので、General visit(通常チケット)のみ説明します。
General visitには、ランクの低い順からブルー、シルバー、ゴールドの3種類があり、それぞれ料金・サービス内容が異なります。
ブルー | シルバー | ゴールド | |
入場時間 | 9:00〜19:15で15分おき | ||
大人 | 29〜35€ | 37〜43€ | 39〜45€ |
サービス内容 | オーディオガイド(日本語を含む15言語) ガウディ・キューブ | オーディオガイド(日本語を含む15言語) ガウディ・キューブ ガウディ・ドーム ARタブレット コンシェルジュルーム | オーディオガイド(日本語を含む15言語) ガウディ・キューブ ガウディ・ドーム ARタブレット コンシェルジュルーム バトリョの私邸 ファストパス 日程変更 キャンセル料無料 |
料金に幅があるのは、同じ日でも時間帯によって料金が異なるからです。
大人以外については、大人料金から以下のとおり割引があります。
- 0〜12歳の子供:無料
- 13〜17歳の子供:-6€
- 学生証所持する学生:-6€
- 65歳以上:-3€
- 障害者手帳を所持:-6€
- 障害者の介助者:無料
\ 基本的にはGeneral Visitを選択!/
カサミラとカサバトリョ、どっちがおすすめ?
結論、どちらもぜひ行ってほしいですが、どちらかしか行けないならカサバトリョがおすすめです!
その理由は以下の3点です。
- 外観・内観がカラフルで可愛い
- 見学できる部屋の数が多い・見どころが多い
- 最後まで楽しめる仕組みがある
外観・内観がカラフルで可愛い
カサバトリョは海がモチーフとなっており、外観も内観も青色が基調となっています。
カラフルな窓のステンドグラス、下から上に向かって段々濃くなっていく青色の壁、破砕タイルがふんだんに使われた煙突がある屋上など、カラフルで可愛いスポットが多いので、建築にそこまで興味がなくても楽しめます。
一方、カサミラは茶色やベージュが多く、屋上も色味は一定なので、建築の細かい部分が楽しめる方にはとても向いていると思いました。
見学できる部屋の数が多い・見どころが多い
カサバトリョは1階から階段を使って上がっていき、各階のお部屋を見ることができます。
個人的には、オーディオガイドの説明がしっかりしていたので、各部屋の見どころをくまなく見られたように思います。
一方、カサミラは現在も賃貸住宅として使われているので、住宅部分として見られるのはワンフロアのみ。各部屋を紹介するオーディオガイドもあっさりめで、私は物足りなく感じました。
特に「住宅」を楽しみたいならカサバトリョに分があると思います。
ただし、カサミラのクジラの屋根裏は、建築物の模型・自然のモチーフ・椅子やドアノブの現物など、ガウディ建築を構成する展示物が見られ、ガウディの頭の中を覗いているような気分になりました。
ガウディの建築物に対する思考・思想も楽しみたいならカサミラがおすすめです!
最後まで楽しめる仕組みがある
カサバトリョは、1階から屋上まで行きと帰りでルートが異なります。
行きは各階のお部屋を順路に沿って見ていきます。帰りは、日本人建築家の隈研吾氏が手がけた、地中海の光の美しさをイメージしたアルミのチェーンを見ながら階段を降りていきます。
また、最終的に地下階に着くと、別部屋でGaudí Cube(ガウディ・キューブ)を見ることができます。
アトラクションのよう・・・と言えばそのとおりですが、最後まで楽しめたのは間違いなくカサバトリョです。
最後に
カサミラとカサバトリョ、どちらかしか行けないならカサバトリョの方がおすすめです!
- 外観・内観がカラフルで可愛い
- 見学できる部屋の数が多い・見どころが多い
- 最後まで楽しめる仕組みがある
しかし、カサミラも見どころはたくさんあり、特に建築手法という観点から楽しみたいならおすすめです。
両方行けるなら行くに越したことはありません!というのが私たちの感想です。
フライトについて
グエル公園について
おすすめバルについて(セルベセリア・カタラナ)